TWIN PEAK DOWN ホワイト Φ180mm

明暗をかたちづくる、プリミティブな円錐形

ピークスはシンプルな円錐形のシェードを縦に連ねたペンダントライトのコレクション。
円錐の向きや灯数の異なる様々なバリエーションがあります。デザインを手がけたマイケル・アナスタシアデス氏は、ピークスについて「影を詩的に観察する探求」から生まれたと語っており、光にフォーカスしがちな照明の中で異色な存在となっています。

2023年にはコペンハーゲンを舞台にした世界的デザインフェスティバル「3daysofdesign」に出品。
デンマークの伝説的ヴィンテージ家具店「ダンスク・ムーベルクンスト」とコラボレーションした展示を行い、大きな話題を呼びました。

影を操る照明、という矛盾

一見、シェードと光源を組み合わせた単純な照明に見えますが、そこは照明の名手マイケル・アナスタシアデスのデザイン。この照明は光や明るさではなく「影」をテーマとしています。
シェードの奥に収められた光源は、他の円錐へと光を落とし、繊細に調整された円錐の角度や曲面によって、美しい陰影のグラデーションを浮かび上がらせます。

表面仕上げはチョークを思わせるマットなもので光を吸収するため、反射が抑えられます。この仕上げによって影がはっきりと現れるようになっているのです。また、消灯時はペーパークラフトのようで、一見すると照明には見えません。

このプリミティブな円錐形にどのように光を当てるか、そしてそれを上下どちらに向けるのか。好奇心を刺激する多種多様な使い方ができるデザインです。

2024年11月にはマイケル・アナスタシアデス氏がYAMAGIWA本社を訪問し、ブランドの運営やデザイン哲学などについて語るトークセッションが行われました。ピークスは会場に展示され、セッション中でも触れられています。

Michael Anastassiades / マイケル・アナスタシアデス

1967年キプロス島生まれ。ロンドンのRCA（ロイヤル・カレッジ・オブ・アート）で工業デザインとエンジニアリングを学び、1994年、ロンドンにデザインスタジオを、2007年には自身の会社を設立しています。代表作であるIC LIGHTSは、英国の入管で使われる移民者の識別コード"Identification Code"から名付けられ、自らの "外国人としてのアイデンティティ" の不安定なバランスを、製品のデザインに重ね合わせています。
彼の作品に通底するのは、感性に働きかけるデザイン哲学。シンプルで工芸的なプロダクトは各国で高評を受け、MoMA（ニューヨーク近代美術館）やヴィクトリア＆アルバート美術館などのパーマネントコレクションに選定されています。