間接照明の使い方でインテリアの雰囲気が大きく変わる!
天井直付け型のシーリングライトや、吊り下げ型のペンダントライトは、太陽のように直接対象物を照らします。
今回は、これに対して光源を天井や壁に反射させることで、周囲の空間を照らす明かり「間接照明」ついてご紹介します。
Index
- 1.お洒落な部屋を演出するのに最適な間接照明
- 1-1 光がやわらかくなる
- 1-2 部屋が広く見える
- 2.間接照明選びの3つのポイント
- 2-1 光源の方向・高さで変わる演出効果
- 2-2 リラックス空間を演出する電球色
- 2-3 光源は3種類!経済的なLED電球がオススメ!
- 3.人気が高い間接照明コーディネート例5選
- 3-1 折り上げ天井との組み合わせでラグジュアリーな雰囲気に
- 3-2 吹き抜けリビングとの組み合わせで開放感アップ
- 3-3 タイル壁と組み合わせて壁の表情を豊かに
- 3-4 カーテンとの組み合わせで窓際の表情にアクセントを
- 3-5 和風のリビングと組み合わせて重厚感のある空間に
- 4.まとめ
1.お洒落な部屋を演出するのに最適な間接照明
日本では照明に明るさが求められる傾向が強く、直接照明が長らく主流となっていました。一方の間接照明は、欧米を中心にインテリアの一部として捉えられ、ポピュラーな存在です。直接照明と比べると、明るさそのものは控えめな間接照明ですが、独自の効果やメリットを持っています。
ここではその特徴を2つに分けて解説します。
1-1.光がやわらかくなる
光は、性質によって効果が違います。
「強く、はっきりとした、均一な光」は人に緊張感を与え、
「優しく、ソフトな、グラデーションを描く光」はリラックスさせてくれます。
間接照明は、光源の「強い、点や線の光」を「柔らかな面の光」に変換する照明です。
くつろぎの場、憩いの場となるリビングや寝室には間接照明の光がおすすめです。
1-2.部屋が広く見える
内装に光をあてる間接照明は、部屋に陰影のコントラストを生み出します。天井や壁の意匠も強調されるため、実際の広さ以上にスペースがあるように感じられます。
また、天井内に照明用の空洞を設ける堀り上げ天井や、後に説明する折上げ天井のように、照明器具自体を内装に収める間接照明は、天井を高く確保でき、部屋全体に開放感がもたらされます。
2.間接照明選びの3つのポイント
間接照明を設置する場合、
・天井や壁
・家具の周辺
・テレビの周辺
のいずれかに設置されることが多いようです。
このうち定番なのが天井や壁ですが、テレビや家具の周辺に間接照明を持ってくるのもおすすめです。
では、実際に間接照明を選ぶ際、どのようなポイントに注意すればいいでしょうか。
3つのポイントから考えていきます。
2-1.光源の方向・高さで変わる演出効果
まず注意するべきなのは、配光の方向。どちらに光を向けるかで雰囲気は大きく変化します。
・天井方面:上方向への広がりをもたらす
・壁面方面:横方向への広がりをもたらす
さらに、高さ調整ができる器具は、置く場所や光を向ける方向のレイアウトを考えるのも楽しみ方の一つ。光源の位置を高くすれば開放感が増し、低くすれば落ち着いた雰囲気が強調されます。演出したい雰囲気によって場所を検討しましょう。
2-2.リラックス空間を演出する電球色
照明に用いられる代表的な色調は以下の3つです。
・電球色 (約3000K):温かみのあるオレンジ系
・昼白色 (約5000K):太陽の明るさに近い自然な色
・昼光色 (約6500K):青みがかった白い色
光は色によって、人に与える影響が異なります。
照明を考えるときは、用途や目的を踏まえて色を選ぶことが大切です。
電球色:リラックスする、ムードを出す、食事をおいしそうに見せる、会話が弾む
昼白色:冷静に判断する、絵を描く、色味を判断する
昼光色:仕事、学習など適度な緊張・集中が必要な作業、物を細部まで見る
年代や性別、生活リズムによっても照明の色調への感じ方は変わります。
白い壁紙と調光、調色のできる光源を組み合わせれば、状況に合わせた色の演出をすることも可能です。
2-3.光源は3種類!経済的なLED電球がオススメ!
間接照明の光源としては、
・LED
・蛍光灯
・白熱球
の3種類が挙げられます。間接照明の場合には熱を発生させにくく、壁や天井への熱による負担が少なく、安全・安心という意味や、省電力で長寿命(=経済的)なLED電球が人気です。
※器具そのものがLED電球に対応していない場合もありますので、備え付けの照明に適合するかは、事前に各器具メーカーへお問い合わせください。
3.人気が高い間接照明コーディネート例5選
ここでは人気が高い間接照明のコーディネート例を5つご紹介します。
3-1.折り上げ天井との組み合わせでラグジュアリーな雰囲気に
折り上げ天井とは、天井部に凹型の空洞を設けることで、ヨーロピアンテイストを醸し出す技法です。この折り上げ天井に間接照明を組み合わせ、折り上げ部分から天井に向けて照らすことで、全体がより一層華やかな雰囲気になります。
3-2.吹き抜けリビングとの組み合わせで開放感アップ
吹き抜けリビングの吹き抜け部分の壁に間接照明を組み込むのもおすすめです。吹き抜け部分をより大きく見せることができので、リビングの上方へ向けた開放感が高まります。
3-3.タイル壁と組み合わせて壁の表情を豊かに
タイル壁は、表面が凸凹として立体感があるのが特徴です。このタイル壁に間接照明を組み合わせると、タイル壁の表面に影が生まれ、凹凸感を一段と引き立たせ、タイル壁の表情を豊かにします。
3-4.カーテンとの組み合わせで窓際の表情にアクセントを
カーテンボックスが設けられているのなら、カーテンボックス内部に間接照明を組み込むという方法もあります。カーテンボックス内の間接照明が、上からカーテンを照らし出すことで、カーテンのドレープに影が生まれ、ドレープの立体感が浮かび上がってくるようになります。窓際の表情にアクセントが生まれます。
3-5.和風のリビングと組み合わせて重厚感のある空間に
和風のリビングに間接照明を組み合わせると、和室の重厚さが感じられるようになります。床の間を含めて奥行きのある部屋を演出できるでしょう。
4.まとめ
現代では、部屋全体を照らす直接照明の文化が根強い日本ですが、かつては炎や自然の光を和紙によって拡散する「面の照明」が主流でした。磨かれた木の床や天井を照らし、住空間に多くの陰影を生み出す和の照明は、間接照明を彷彿とさせます。現代では気候、環境も変わりライフスタイルも多様化していますが、私たちに与えてくれる安らぎや憩いを与えてくれる「柔らかく、優しい、面の光」は時代を経ても変わらないのかもしれません。
陰影の美しさは、空間に気品を漂わせます。かつて裸電球が照らしていた日本の宵闇には、まだまだ独自の照明文化を育む土壌がありそうです。