
建築家ライトの遺産を守り続ける
フランク・ロイド・ライト財団 訪問記
来る2024年は、YAMAGIWAが建築家「フランク・ロイド・ライト」の照明復刻を開始して30年の節目です。これまで弊社はライトの遺産を管理する「フランク・ロイド・ライト財団」全面監修の元、公式の復刻製品を世に送り出してきました。今回は、そのご縁からアリゾナ州スコッツデールに位置するライトの代表建築「タリアセン・ウエスト」にある財団のオフィスにお招きいただき、一般には開放されない施設の見学や、これまでの協業についてお話を伺うことができました。TALIESIN 2をはじめとした、ライトの照明を取り巻く建築に想いを馳せていただければと思います。
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砂漠に調和するライトの象徴的空間
私たちが訪れたタリアセン・ウエストはアリゾナの砂漠地帯に位置しています。道中では、ライトが「世界でも類を見ない壮大な庭園」と賞賛した雄大な自然が広がっていました。ライトはこの風景に建築が溶け混むよう、壁面に周囲の砂漠の石を埋め込んでおり、この工法は Desert Masonry(砂漠の石積み)と呼ばれています。

▲ (上)製図机で作業中のライト / (下)関係者用のスペースから撮影した現在の製図室
タリアセン・ウエストはライトの「冬の別荘」であるのに加え、教育施設としての側面もあり、世界中から彼に教えを乞う若者が訪れていました。この製図室はその象徴的なものです。
現在もタリアセン・ウエストはフランク・ロイド・ライト財団のもと運営され、学生らが訪れ建築を学んでいます。

施設内でも圧巻だったのは壁一面の大きなガラス窓から光が溢れるガーデンリビング。大きなガラス窓があることにより、建築の外部と内部が有機的につながり、開放的な雰囲気を醸し出していました。光環境の上でも、キャンバス地の屋根を透過する日差しが、空間をほどよい光で満たす理想的なリビングでした。
ライトもこの椅子に座って景色を見るのがお気に入りだったそうです。

▲ 弊社役員の國納と、財団CEOのStuart Graff氏、ライセンスディレクターの Sally Russell氏、インダストリアルデザイナーの Seyla Muise氏
長年のパートナーシップにまつわるインタビュー
見学の後は、施設内のカンファレンスルームで財団スタッフと会談を行い、今後も変わらぬ両者のパートナーシップを再確認できました。ここからは、その際行なったYAMAGIWAとの長年の関係や、ライトとデザイン・光の関係性についてのインタビューを収録します。
ー これまでYAMAGIWAは様々なライトの照明を復刻生産してきましたが、その歩みを振り返りどのように感じられていますか
フランク・ロイド・ライトのオリジナル作品と彼の意志を尊重し、長年にわたり復刻商品を作り続けてきたYAMAGIWAの仕事ぶりに大変感謝しています。また、この5年間で成長したオマージュコレクションについても嬉しく思っています。現代の建築家・デザイナーたちとのコラボレーションを通し、ライトの作品が再解釈され、消費者にとって新しく、好奇心を刺激されるものへと変換されていく様子は、私たちにとっても興味深いものでした。
YAMAGIWAのプロジェクトにおける歩みと発展に感謝していますし、同時に信頼もしています。我々の絆も深いものになっていると思います。

▲ カンファレンスルームの一般には公開されないスペースに展示されるタリアセン・ポリゴン(伊東豊雄)と紙のタリアセン(坂茂)
ー ライトは、建築にとっての光をどのように捉えていたのでしょうか
当然のことながら、光がなければ自分を取り巻く環境は何も見えなくなってしまいます。ライトは、建築の中にいる人に、時の流れや季節の移り変わりなど、外の世界を気づかせることができることから、光を重要な要素と捉えていたと思います。光は、外と中の世界を繋げてくれる存在であり建築の壮大さをより深く体感させてくれます。

ー ライトが生きていた時代から長い時が過ぎ、世間のインテリアへ考え方も変化しています現代の消費者に TALIESIN 2 をどのように体験してほしいとお考えでしょうか
ライトは生涯において何よりも、世界中のより多くの人々に「美しいデザイン」を体験してほしいと考えていました。それは彼の「誰のために建てるのかに関わらず、住むひとにとっての喜びを創造したい」という言葉に表れていると思います。「喜び」とは、美しさに驚きが加わったもので、世に存在する些細な装飾から、素材、品質、デザインなどに気づかせ、感謝する機会を与えてくれるものだと思います。
TALIESIN2に関しても、そこに込められたライトの思いと「喜び」を体感してほしいです。

ー 今後、YAMAGIWAと共に取り組みたいことがあれば教えてください
私たち財団は、フランク・ロイド・ライトのオリジナルデザインに対する新たな解釈や、彼の哲学をデザインにどう落とし込むかの探求に積極的に取り組んでいます。それはまさに、私たちが今後 YAMAGIWAと共に取組んでいきたいことでもあります。ライトの哲学や建築にインスパイアされた新しいコレクションを今後も数多く発表することでライトの哲学を世に広められればと思います。

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