1962年、アッキーレとピエル・ジャコモのカスティリオーニ兄弟によって発表された近代照明デザインの傑作ARCO（アルコ）。一流のインテリアを取り入れることで知られる映画、007シリーズにも登場し、登場から半世紀以上が経っても絶えず生産が続けられる、FLOS(フロス)社を象徴する照明です。特徴的なフォルムは、カスティリオーニ兄弟が日々目にしていた街灯からインスピレーションを受けたもの。「アルコ」という名前は「アーチ」を意味し、その名の通り重厚な大理石ベースから美しいステンレスのポールが華麗な曲線を描きます。

二重セードの外側を回すと光の方向を変えられ、幅約2mのアーチ部分も調整できるため、ペンダントライトのような使い方も可能。シェードをダイニングテーブルの中心においても、周囲に人が通る十分なスペースが生まれます。
「ARCO LED」は生誕50年目の節目に発表された光源にLEDを採用したモデル。非常に均一で高品質なLEDを搭載し、演色評価数Raは非常に高い数値である93を実現しています。

約60kgの大理石の塊と2mのアームの組み合わせという斬新な発想で、細部にいたるまで計算しつくされています。台座側面に空いた孔に棒を通し、2人で運搬できるユニークな特徴があります。

　Achille & PierGiacomo Castiglioni　カスティリオーニ兄弟

アッキーレ・カスティリオーニは1918年、ミラノ生まれのデザイナーです。ミラノ工科大学で建築を学んだあと兄リヴィオとピエル・ジャコモとスタジオを設立し、インテリア、建築、都市設計など幅広いデザインを手がけました。アッキーレは特にインテリアデザインの分野で広く知られることになり、中でも兄ピエル・ジャコモとZanotta(ザノッタ)社で発表したスツール、Sella(セラ)、Mezzadro(メッザドロ)はその奇抜さからイタリアデザイン界に大きな衝撃を与えました。1962年にフロスが設立される際にはデザイン責任者として招かれ、ARCO、TOIO(トイオ)を始め多くの秀作を残しました。アッキーレは兄が亡くなった後も精力的に活動を続け、フロス、ザノッタ、アレッシィ、ダネーゼ、ブリオンヴェガなど多くの企業から作品を発表。9度のコンパッソ・ドーロに輝いています。