フレンチ・ミッドセンチュリーの傑作ウォールランプ

アイコニックなフォルムと緻密に計算された機能性から、フレンチデザインの傑作として知られるウォールランプ、G25。設計を手がけたのは、フレンチ・モダンを代表するデザイナー、ピエール・ガーリッシュ。G25は彼の生涯にわたって、自邸のダイニングテーブルを照らしたランプとしても知られています。キャンティレバー式の構造や伸縮可能なアームは、やわらかな光を柔軟に届けることができるため、ダイニングだけでなくデスクなどのワークスペース、ロビー・エントランスなどのパブリックスペースまで快適な雰囲気を演出します。 全てのモデルはフランスの照明メーカー「サンモード スタジオ」により現地生産されています。

知性に裏付けられた機能性と優れた造形感覚

G25の光源はシェードに秘められており、光が直接目に入らないグレアフリーデザインです。
シェード内のリフレクターにより光は上下に振り分けられ、下方向には直接光で十分な明るさを確保。上方向へ溢れる光は、パンチング加工が施されたデフレクター（偏光板）により拡散され、天井方向へ開放感を生むだけでなく、周囲をやわらかな光で照らし、心地よい雰囲気を演出します。無垢の真鍮で設えられたフレームは光を黄金色に反射し、気品ある雰囲気を醸し出しながら、経年で趣ある質感を帯びていきます。

ウォールランプという選択肢

日本では施設照明や屋外照明としてのイメージが強いウォールランプですが、北欧やヨーロッパでは、ペンダントライトやシーリングライトと並んで住宅照明の一つとして広く活用されています。ウォールランプは床面のスペースを確保する必要がなく、設置場所を選びません。またコンセント仕様のものは施工業者による配線工事が不要で、気軽に設置できます。意匠性に優れた名作も多く、壁面を華やかに彩るインテリアのアクセントとしても人気を博しています。

1950年代のフランスを代表するデザイナー、ピエール・ガーリッシュ。アメリカでイームズ夫妻やジョージ・ネルソンによりミッドセンチュリー・モダンが花開いていたのと時を同じくして、フランスでもピエール・ジャンヌレ、シャーロット・ぺリアン、ジャン＝プルーヴェらによりフレンチ・ミッドセンチュリーのデザインが一時代を築いていました。ピエール・ガーリッシュもその中の一人であり、1949年にパリの国立高等装飾美術学校を卒業すると、1951年に自身のデザイン事務所を設立。新たな工業技術を用いた現代的で合理的なデザインを数多く残し、1965年にはフランスを代表するデザイン賞、ルネ・ガブリエル賞を受賞しています。代表作にフランス初のプライウッドの椅子「トノー」があります。

1927年にフランスで設立された照明メーカー、サンモードスタジオ。1927年にシャティオンシュルソーヌ（フランス東部）で設立されて以来、一貫してフランスで完結するメイドインフランスの物づくりに誇りを持ち、高品質な照明製品を世に送り出しています。高い製造技術を背景に、ステファン・ディーツ、ノーマル・スタジオなど様々な建築家、デザイナーとコラボレーションを重ねており、その一環としてフランスを代表するデザイナー、ピエール・ガーリッシュの作品をオリジナルに忠実に再現しつつ、現代のテクノロジーを取り入れ復刻しています。