1940年イタリア メルツォにて生まれる。1968年ローザンヌ大学卒業。工業デザインとビジュアルデザインを学び、卒業後ドリアデ社にてアートディレクションを担当する。兄エンリコ・アストリはドリアデ社の経営者であり、姉アデライデ・アチェルビは広告・PRを担当する。 ドリアデ社において数々の家具、空間を発表しているが、特にシステム家具においては、1970年代から今日にいたるまで、さまざまな機能を包括する複合有機体としての住まいに適合するものを提案し続けている。 ドアがリーフ・ドア(開き戸)タイプ「OIKOS」シリーズ、フォールディング・ドア(折れ戸)タイプの「PANTOS」シリーズは、書棚、飾り棚からクローゼットまで、幅広い組み合わせが可能。また、壁面固定型のシステム収納家具「KAOS」は、そのユニークさから世界中にセンセーショナルを巻き起こした。 また単体家具や小物デザインだけでなく、ドリアデ社本社のショールーム、ミラノ、東京(ダ・ドリアデ青山)の店舗の基本設計等をてがける。 アントニア・アストリにとって家具をデザインするということは空間をデザインするようなものであり、長く成功してきたデザインの経験が、家を変化させるという概念をもつシステム家具を、室内空間という複合的有機体としての機能に結び付けたことから出発したといっても過言ではない。