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毎年秋頃に発表される、ルイスポールセン社の限定ランプ。ここ数年は琥珀色のガラスシェードを採用したモデルで話題を集めていましたが、2021年はスタイルを一新。黄金の曲線美とオパールガラスのシェードを備えたテーブルランプ、PH 2/2 The Question Mark(クエスチョンマーク)が登場しました。アール・ヌーヴォーを思わせる魅惑的なデザインは1930年代初頭に発表されたモデルを限定復刻したもの。現存するオリジナルは希少なため、ヴィンテージ市場でも求める声が止みません。 PH 2/2 クエスチョンマークは10月1日より予約販売の注文受付を開始。2022年1月末までの期間限定受注生産です。あらゆる空間を魅力的に演出する新しいクラシックをお見逃しなく。
クエスチョンマークのモデル名の由来となった、クラシカルでエレガントなフォルムのステム(支柱)には、素材として無塗装の真鍮が採用され、経年とともに変わる風合いを楽しむことができます。また、表面のヘアライン仕上げは、光源をきめ細やかに反射するため、暗闇で美しく浮かび上がるカーブの美しさを際立たせます。読書灯として人気があったクエスチョンマークは、デザイン上のアクセントにもなっているアームにより、ヘッドの角度調整が可能なため、光を欲しい場所へと届けることができます。
クエスチョンマークのオパールホワイトのシェードは、柔らかな雰囲気を作り出すため、中核の乳白ガラス層を光沢ある透明ガラスで挟み込んだ3層構造となっています。直接光を受ける内面はサンドブラスト加工を施されており、ソフトな光を均等に拡散。滑らかなグラデーションを生むよう設計されてます。他のPHランプと同じように、ポール・ヘニングセンの3枚シェードのシステムが採用されていますが、PH 2/1やPH 3/2など近年のモデルがシェードの高さを抑えるため、ミドル / ボトムシェードを小ぶりなものにしているのに対し、PH 2/2 クエスチョンマークは全てのシェードがフルサイズという珍しい仕様。そのためヘッドに量感があり、独特のバランス感が特徴的です。
ポール・ヘニングセンによるグレア・フリーの光を生み出すランプシステムの機能性を評価し、最初に採用したのは省庁や行政の公的な施設でした。「家と人々を美しくし、夜を安らかにすること」を目的に掲げたポール・ヘニングセンは、1929年から一般家庭のキッチンやダイニングでも取り入れやすい、実用的で生活に寄り添うタイプのPHランプを世の中に送り出しました。 1931年に登場したクエスチョンマークのオリジナルは、”ミニチュア”と呼ばれた小型のシリーズの一部で、ヘッドを柔軟に動かせることからベッドサイドや、ピアノ用ランプとして人気を博し、譜面や本のページを柔らかな光で照らしました。同じアームを備えたフロアランプは、ソファの後ろに設置される読書灯として1933年のカタログに掲載されています。(『LIGHT YEARS AHEAD - The story of the PH lamp -』(1994)より抜粋)
クエスチョンマークのコードは1931年のオリジナルに忠実なダークブラウンのファブリック仕様。本体ベース部分に設置されたスイッチ部分には ポール・ヘニングセンのイニシャル「PH」が刻まれており、細部まで限定モデルならではの特別なディティールが楽しめます。
Poul Henningsen / ポール・ヘニングセンポール・ヘニングセンは1894年のデンマークで生まれ、北欧を代表する照明ブランド、Louis Poulsen(ルイスポールセン)との協業から、生涯を通して200種類以上の照明を生み出した照明デザイナーです。彼は単に照明器具のバリエーションを増やそうとした訳ではなく、照らし出される人や物、あるいはインテリアを理想的に見せるために最適な「良質な光」を追求した結果、PH 2/2 クエスチョンマークをはじめとした多くの名作照明を世に送り出していきました。光の色、グレア、陰影といった照明の基本事項をキーワードとしたヘニングセンの光に関する考察は、照明文化においても尚、重要な意義を持ち続けており、今日では北欧照明の父とも呼ばれています。